本稿では、「総合的会話分析」(宇佐美2008)について、その趣旨と目的、方法について紹介する。またこの方法に適するように開発された文字化ルールである『基本的な文字化の原則(Basic Transcription System for Japanese: BTSJ)』、トランスクリプト入力支援機能や分析項目の基本的記述統計量が自動集計できる『BTSJ文字化入力支援・自動集計・複数ファイル自動集計システムセット』(講習会受講者に無償配布)、333会話を含む『BTSJ日本語自然会話コーパス(トランスクリプト・音声)2018年版』、及び、共同構築型多機能データベースである『自然会話リソースバンク(NCRB: Natural Conversation Resource Bank)』を使った「自然会話を素材とするWEB教材」の作成方法についても紹介し、『総合的会話分析』の方法が、「会話・談話の分析」という観点からだけではなく、「日本語教育研究」と「日本語教育実践」にとって、どのような意義を持っているかを論じる。